「たかが世界の終わり」

たかが世界の終わり

「たかが世界の終わり」

監督:グザヴィエ・ドラン
出演:マリオン・コティヤール、レア・セドゥ
ギャスパー・ウリエル、ヴァンサン・カッセル
製作年度:2016年
自分の死期が近いことを伝えるため
12年ぶりに帰郷した若手作家の苦悩と
家族の葛藤や愛を描いたストーリー。

 

タイトルからして意味深だ。

 

世界の終わりなのに
「たかが」と付いている。

 

12年前に家を飛び出し
今や人気作家となった主人公ルイが、
成功をして実家に久しぶりに帰って来る。

 

だが、それを迎える家族は
なぜ帰って来るのかを知らない。
それぞれがそれぞれに思う。
 

 初対面の兄嫁は
当たり障りのない話をするが、

 

それを側で聞いている兄は、
そんなムダな話などするな、

 

大切な弟はすぐに帰ってしまうのだから、
弟に話をさせろ、
いや、俺が話をしたいが
何から話したらよいのかわからない、

 

飛び出しておいて
何で今頃帰ってきたのかとばかりにイラついている。

 

 妹はルイを尊敬しているが、
12年の月日は長く、
なんとも他人のようなよそよそしさがあり、

 

なぜ今帰ってきたのかを
聞こうとしたが別の話になってしまった。

 

 母は愛する息子を、
息子の好きだった料理で迎えるが、

 

息子の本題を聞いてしまったら
また遠くへと行ってしまうようで、
時間を引き延ばし聞こうとしない。
 

 ルイを腫れ物を触るように扱う家族。

 

大切に思えば思うほど、
意味のない会話をしてみたり、

 

笑ったり、怒鳴ったり、
踊ったり、食べたり、
ドライブしたり。

 

確かに家族だからこそ
聞きづらいことがあるよね。

 

他人だったらズバリ聞けたりするのにね。

 

 家族だからこそ遠慮知らずだが、
家族だからこそ遠慮してしまう、
そんな家族の愛を見事に描いた作品だ。

 

出演者が皆、ベテラン揃いで
ほとばしる言葉のやり取りに圧倒されてしまった。

 

「世界の終わり」を「たかが」と思わせてしまうほど、
ルイは家族の愛を感じたのだろう。         

山崎二三代

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