「婚約者の友人」

『婚約者の友人』

婚約者の友人

監督:フランソワ・オゾン
出演:ポーラ・ビール、ピエール・ニネ、
   マリエ・グルーバー
製作年度:2016年
第1次世界大戦後のドイツを舞台に、
戦死した青年の友人を名乗る男性と、
残された婚約者や遺族の交流を描く人間ドラマ。

 

なんとなく物悲しい。
若くして第一次世界大戦で婚約者を亡くし
未亡人になったドイツ人の主人公アンナ。

 
自身の両親もおらず、婚約者の両親と暮らし彼の墓参りをする毎日。
そこへ謎の男アドリアンが現れた。
彼はフランス人。戦地で彼は婚約者と友人だったと語り始める。

 

 まあ、謎めいた男の登場、
しかもわざわざ対戦国であったドイツをフランス人が
訪れるからには相当の訳アリということはわかる。

 
ドイツの酒場では息子を亡くした父親たちが、にっくきフランスと叫んでいる。
それほどピリピリした状況の中、肩身の狭い、
見るからに気が弱そうなアドリアンがいったい何をしに、
何のためにドイツまで友人の婚約者の元を訪れたのか。
推理小説のようで見ていて胸がザワザワする。
 

 ようやくその真実をアンナに告げ目標達成したアドリアンはフランスへと帰って行った。
一方、今度はアンナがフランスへと忘れられない彼を探しに出かけていく・・。

 

 この映画のテーマの一つは「嘘」だとフランソワ・オゾン監督は言う。
優しい嘘、確かに真実を知るよりも嘘のままの方が幸せなこともある。

 
しかし、アドリアン自身の心の内は相手を思いやる嘘というより、保身の嘘。
情けない男。それに比べてアンナの嘘は美しい。

 
だが実は女性よりも気弱で優しい男性が戦場で戦う辛さ、
女性にはわからない戸惑いを正直に描くとこうなるのだろう。
戦争は人の人生を狂わすが、彼の出現はアンナを過去から解放したと思う。   

山崎二三代

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